1.会社設立の基礎知識

1.個人で作成できる電子定款

電子定款を利用すると会社設立費用が4万円安くなります。従来、個人で電子定款を利用しようとするとソフトウェアの購入や電子証明書の取得に多額の出費を要し、行政書士や司法書士に依頼する方が安上がりになるというおかしな現象が生じておりました。ところが、2007年4月1日から住民基本台帳カードを利用して、個人でも簡単に電子定款が作成できるようになり、状況が変わりました。法務省から個人向けのソフトウェアも無料で配布され、ソフトウェアの購入や電子証明書の取得に費用がかからなくなったのです。購入しなければならないものは、3000円程度のICカードリーダだけですが、これは、今後の所得税の申告などの際にも利用することができますので、購入しておいても損することはありません。このマニュアルでは電子定款にも完全に対応しております。ぜひ、電子定款の作成にチャレンジしてみてください。ただし、まだ、住民基本台帳カードを作成していない場合、住民基本台帳カードの作成に10日前後の待ち時間がありますので、早めに作成しておく必要があります。また、外国人の方には住民基本台帳カードは発行されませんのでお気をつけください。


2.会社設立に必要な費用と期間

会社設立には法定費用といって金額が定まっている費用と書類作成や手続の代行などを行政書士や司法書士に依頼した場合に支払う費用があります。法定費用は以下のように最低24万円(電子定款を利用した場合20万円)となります。自分で手続をされる場合にはこれ以外に費用は必要ありません。

法定費用 金額 支払先
定款に係る印紙税※ 4万円 0円 収入印紙を貼付する
定款認証手数料 5万円 公証人役場
登録免許税 資本金の額の0.7%(ただし、最低15万円) 法務局
電子定款を利用する場合、印紙税は無料です。このマニュアルは電子公証に対応しております
※この他に会社印などの調製費用や各種謄本や印鑑証明書などの交付手数料が必要です

出資払込金保管証明の制度が撤廃されたためあらかじめ事前準備をしておけば、2〜3日以内に会社を設立することができるようになりました。事前準備につきましては、あらかじめ、このマニュアルをお読みください。また、会社の情報が法務局のコンピュータに登録されるまでには1週間程度かかりますので、それまでは証明書の発行などを法務局に申請することはできません。

3.新会社法について

2006年5月1日に新会社法が施行されました。以前の法律では株式会社というのは上場しているような大企業を想定していたのですが、現実には信用と節税のためにいわゆる中小企業が大半になっておりました。そのため、何度も法律が改正され現実に合わせようとされてきたのですが根本が大企業を想定しているため常に数多くの矛盾を抱えることになりました。そこで、中小企業を原則、大企業を例外とする全く新しい法律として新会社法が施行されることとなったのです。会社設立に関する主な改正点は以下のとおりです。

最低資本金の制限の撤廃

株式会社の資本金は1000万円が必要でしたがこの制限がなくなりました。すなわち、資本金が1円でも株式会社が設立できるようになりました。有限会社は、その存在意義がなくなったため、新たに有限会社を設立することはできなくなりました。

出資払込金保管証明の制度の撤廃

従来は会社設立の手続の間、金融機関に資本金に相当する金額を預けてその証明書を発行してもらわなければならなかったのですが、中小企業の場合、金融機関に断られるケースが多く、そのために会社が設立できないという弊害があったため、この手続が廃止されました。

類似商号の制限の撤廃

同一市区町村内では同じ事業内容の場合、既存の会社に類似した商号を使うことができませんでしたが、会社が乱立している現在では無意味な規定であるため、この制限が撤廃されました。

取締役や監査役の制限の撤廃
従来は取締役が3名以上必要で「取締役会」を必ず開かなくてはなりませんでした。新会社法では取締役は1名以上でいいということになり、従来中小企業では開催される例がなかった取締役会が不要となりました。また、監査役も不要となりました。


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